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どのような働き方がいい?

初期研修が終わると、いよいよ一人前の医師として独り立ちすることになります。

その後の医師の働き方には実にさまざまなのですが、自分自身がやったことがない働き方はいまいちイメージがつきにくいのではないでしょうか。

今回はおおまかに開業医と勤務医、フリーランスに分け、それぞれの勤務形態について以下にまとめました。

開業医としての働き方

自ら医療機関を立ち上げ、院長として医療と経営を行います。

この場合の医療機関とは病院ではなく、一般的にはクリニックでの診療をする医師のことを指します。

クリニックであれば各科専門の医師がいることはほぼなく、専門科を標傍しその科のみを診療するという形になります。

ただし標榜する科に制限はないので、自分の診療可能な範囲内のものであれば複数の科を標榜することも可能です。

開業医として働くメリット

時間調整がしやすい

まずは時間的な余裕が増える可能性があります。

開業であれば自分で診療日や診療時間を決めることができます。

この曜日は家族との時間に使おう、この曜日は書類仕事を片付けよう、といったように、診療以外のことに使える、まとまった時間を思い通りに確保できることは大きなメリットです。

また、基本的には状態の安定した患者さんの診療となるため、勤務医のように突然緊急症例が舞い込んできて夜中まで手術して……といったような、長時間の時間外労働もほとんどありません。

金銭的な余裕ができやすい

一般的に開業医の方が収入が高いイメージを持っている医師も少なくないでしょう。

データを参照すると勤務医の平均年収は1491万円、開業医は2807万円となっており、平均的に開業医のほうが年収が高い傾向にあります。

ただしここに関しては、医療だけではなく経営などの労力もあるので、労働と給与を直接比較することには注意が必要ではあります。

自分の理想の医療を実現できる

開業医になれば診療内容も自分である程度決めることができます。

そのため自分の専門領域に絞って開業をすれば、フラストレーションがたまることも少なくなるでしょう。

勤務医であれば、この自費診療をしたい、この注射に使う製剤はこれがいいと思っても、それを取り入れることは容易ではありません。

ところが開業医の場合はそれらも思いのままなので、やりたいことをやるにはいい環境ではないでしょうか。

さらに開業であれば、基本的には上司とのいざこざや同僚との意見の食い違いもないでしょうし、そういった面での精神的な余裕も出てくるかと考えられます。

開業医として働くデメリット

開業に漕ぎ着けるまで労力がかかる

開業までの流れはとても煩雑で、気軽に「よーし来月から開業しよっかな!」などと気軽に方向転換することは難しいでしょう。

開業資金の準備に始まり、物件の内見や契約、開業届けを出すなど諸々の手続きをすべて自分でやらなければなりません。

お金についてなども一部は税理士に任せられますが、自分でやらなければならないこともたくさんあります。

また、院内の物品、電子カルテの選定なども自分で決めなければなりません。もちろん医療コンサルタントにお願いするという手もあるのですが、その分費用もかさみます。

スタッフ間の人間関係で板挟みに

開業するにあたり、医療事務や看護師を雇うことが必要になってきます。

つまり、スタッフたちの生活にも開業医の手腕が大きく影響してくることとなります。

近年では、開業したとしても業績不振で閉業に至るケースも少なからずあります。

そのような事態に陥った場合、スタッフはもれなく路頭に迷うことになりますので、開業には慎重な見極めが必要です。

勤務医としての働き方

一口に勤務医と言っても、この中でまたいろいろな働き方があります。

ざっくり分けると、勤務医は常勤と非常勤に分けることができます。

常勤の医師とは、医療法により「原則として病院で定めた医師の勤務時間のすべてを勤務する者」「病院で定めた医師の1週間の勤務時間のうち32時間以上勤務している者」と定められています。

そして、これより労働時間が少ない医師は、非常勤という雇用形態をとります。

この労働時間とは別に当直やオンコール、休日の当番をするかしないかという選択もあります。

勤務医として働くメリット

収入に関して安定感がある

収入に関しては、契約内容によってはボーナス等の金額が毎年変わることもありますが、基本的に安定した収入が見込めます。

季節や天気での患者の変動などを考える必要もありません。

そして基本的に年功序列なので、年次や役職に就くことで収入アップが見込めます。

組織の一員としてカウントされるため、年金や保障制度もきちんと整っています。

訴訟などのトラブルがあった際も一人ですべて抱え込むことはほぼありません。

代わりを頼みやすい

基本的に病院では一人医長などの場合を除き、マンパワーが豊富であることが多く、自分や家族の急な体調不良、冠婚葬祭などで仕事に穴が開いても比較的補填しやすいというメリットがあります。

縦や横の繋がりが強い

基本的に外来のように一人で勝負をしなければならない場面だけではないため、色々な医師たちと絡むことになります。

大きな病院では、まれな症例や高度な医療を扱っている医師も少なくないため、学ぶ機会も多いでしょう。

また、横の繋がりがあれば、様々な科と連携して患者さんにベストな治療を行うこともできます。

勤務医として働くデメリット

給与が急上昇しない

先ほど述べたように、勤務医、特に常勤医の給与は基本的に勤続年数や医師としての経験年数に大きく左右されます。

そのため極端なことを言えば、手術等の手技が上司より遥かに上手くても、それで給与が一気に上がることはあまりないでしょう。

また、地域や診療科、勤務する病院(公立、公的、医療法人)によっても給与に差が出てきやすい傾向にあります。

当直やオンコール対応をしなければならない

病院で常勤をして働く場合、入院や救急の対応をしなければならない場合がほとんどでしょう。

基本的に頻度はマンパワーに左右されることとなりますので、人員不足の病院に勤務した場合、必然的に当直やオンコールの回数が多くなる可能性があります。

しかし、年齢を重ね当直明けの仕事がしんどくなってきた、子育てや介護があり夜間や休日には働けない、体調を崩してしまったなど、様々な理由からこれらを希望しない医師がいます。

勤務医というと当直がセットでついてくるイメージですが、実は必ずしもそうではなく、交渉次第で免除してもらうことも可能です。

組織の方針にある程度従わなければならない

医師ももちろん組織の一員であるがゆえに、自分の意見とは違っていてもその病院の方針に従わなければならない側面もあります。
例えば「この手技はいつもこの手順でやっている」という決まりが自分の中にあったとしても、使用薬剤が採用されていない場合などは、そもそも実現不能となってしまいます。

フリーランス医師としての働き方

フリーランスの定義はいまだにきっちりとは定まっておりませんが、いくつかの定期非常勤を組み合わせた勤務形態をとっている方が多いでしょう。

近年じわじわと増えてきた働き方であるとされています。

フリーランスとして働くメリット

働き方の自由度が非常に高い

フリーランスの最大のメリットは、「働き方を全て自分で決めることができる」ということにつきます。

お金が欲しければ、とにかく労働日数を増やすだけである程度実現することができます。

また、契約内容によっては自分の働きが給与に繋がることもあるため、さらに年収アップを狙うことも可能です。

休日の取り方も自在なので、例えば週の半ばに1日休みが欲しいと思ったら水曜日に勤務を入れないようにするといったように自分で勤務を調整することができます。

2週間働いて2週間お休みにするという特殊な働き方をすることも可能ですし、実際にいます。

フリーランスとして働くデメリット

雇用が比較的不安定

非常勤勤務がメインであるがゆえに社会保障が充実していない、雇用への安定性がないというデメリットがあります。

常勤医の採用に伴い、非常勤医が解雇になるという例はよくありますので、フリーランスで働く場合は勤務先は分散させておく方が良いでしょう。

基本的に即戦力を求められる

非常勤医に求められるものは「教育を受け医師として成長していく」というようなものではなく、「即戦力として活躍できる」ということが求められます。

すなわち最低限の実力がなければ成り立たない働き方でもあるので、臨床研修終了したての医師がフリーランス医師としてやっていくことは難しいでしょう。

実力がしっかりあり、かつ医療機関が求める人材に合致している場合、雇用先と相談して待遇をあげてもらうことなども可能です。

専門医の維持が困難な場合がある

新専門医制度となり、専門医の維持に特定の条件が設定される専門家も出現しました。

例えば、フリーランスが多い麻酔科では「専門医の維持には週3回の同一施設での勤務が義務である」とされています。

そのため、専門医の維持をするという観点からは、ある程度の縛りが生じます。

将来、他の科もこれを追随する形になるかも知れないため、専門医の維持を考えている方は注意しながら働く必要があります。

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