医師がいざ転職をしようと考えても、辞めたいときに辞めることができない、いい求人が見つからないといった事象は容易に起こり得ます。
そのため、あらかじめスケジュールに余裕をもって転職活動を始めることが重要となります。
退職ギリギリになっても転職先が決まっていないことに焦ってしまい、最終的に希望と大きく異なる医療機関へ転職してしまった、などといったトラブルを避けるため、転職に成功した医師たちはどうだったのか見ていきましょう。
転職にかかる期間の平均、中央値は？
株式会社メディウェルが行った、同社を経由して行われた医師の転職活動についてのアンケートでは、以下のような結果となっています。
| 申し込みからの日数 | 勤務先決定まで | 勤務開始まで | 勤務先決定から勤務開始まで |
| 中央値 | 77日 | 163日 | 86日 |
| 平均値 | 105日 | 192日 | 87日 |
（引用：https://www.dr-10.com/lab/how-long-doctors-take-to-find-new-jobs/）
この結果から、医師の転職活動に要する期間は中央値となる約2ヵ月半、勤務先が決定してから実際に勤務を開始するまでに3カ月ほどを要していることがわかります。
要するに転職を希望する医師は、次の医療機関で勤務開始する半年ほど前から転職活動を開始していることとなります。
医師転職サイトに申し込んでから実際に勤務を開始するまでの流れ
医師転職サイトへの登録
医師の転職において欠かせない存在が医師転職サイトのエージェントです。
もちろん医師自身が転職先を探してもよいのですが、日々の診療もこなしながらの転職活動は思った以上にハードです。
医師転職サイトに登録し、エージェントの助けを借りながら転職活動をする方がはるかに効率的であると言えます。
求人情報のチェック、エージェントからの情報提供
転職したい医療機関が決定している場合は、その医療機関の求人情報を集めます。
医師の待遇等は求人情報に掲載されていますが、その医療機関の理念などはホームページ等も参考にしながら情報収集すると、より勤務のイメージがつきやすくなるでしょう。
その際、他の医療機関の求人とも比較してみると相場からかけ離れた案件でないかをチェックすることが可能です。
医師転職サイトに登録した場合は、エージェントとやりとりして希望条件のすり合わせを行うと、エージェントが医師の提示した条件に合う求人案件を何件か持ってきてくれます。
この時、医師の希望する条件があまりにも市場価値に見合わないようなものだった場合にはそれを指摘してくれ、妥協すべき点を一緒に探してくれます。
また、希望するキャリアプランの相談にも乗ってもらえるので、将来どうしたいかを第三者目線の意見を取り入れて検討することも可能です。
このように、やみくもに一人の力で転職するよりは、転職のプロを味方につけた方が効率的に転職活動することができます。
求人案件に応募
気になる求人を見つけたら、次のステップは応募です。細かな規定は医療機関ごとに異なりますが、主に必要となるのが履歴書、医師免許証・臨床研修修了証のコピーです。履歴書もその医療機関用の書式があることがあり、作成に意外と時間がかかることもあるので、週末などまとめて時間が確保できるときに記載しましょう。
応募に関してもエージェントがいる場合はサポートしてもらうことが可能です。
例えば、履歴書の自己アピールなど自分一人では埋めるのに苦労してしまうような項目を一緒に考えてくれたり、複数の医療機関に応募する場合必要書類に不備がないかダブルチェックしてくれたりと様々です。
書類審査・面談
提出した書類をもとに医療機関側が書類審査をします。次の面接までに要する期間は1～2週間というところが多いようです。
そして書類審査が通ったら次は面接です。
面接の際には病院見学を兼ねることが多いため、可能であれば外来や病棟、手術室などがどのような運用になっているかをみることができる日中に行うことが理想的です。自分がかかわることが多い設備など、あらかじめリクエストしておくと実際に見学させてくれることも多いです。
面接では医療機関から審査される立場ではあるのですが、気になる点は積極的に質問し、自分のイメージと相違がないか確認しましょう。
エージェントがいる場合には、事前に確認したい項目について共有しておくと、面接の場では「これについては私が質問します」など、医師の聞きにくいような質問でも角が立たないよう配慮してもらえます。
書類審査・面談採用/不採用通知
「面接から大体1～2週間ほどで採用か不採用かどうかの通知をします」と医療機関側から面接時に伺うことが多いのですが、実際には数日後に結果がわかることも少なくありません。
複数の医療機関から内定をもらうこともあるかも知れませんが、最終的にどこの医療機関に転職するかは次の条件交渉の結果を待ってからでも遅くはありません。
あとで後悔しないためにも、じっくりと検討するようにしましょう。
条件交渉
内定をいただいたら、再び待遇や福利厚生、家賃補助、その他の勤務条件についてしっかりと確認し、雇用契約書を作成してもらいましょう。
口約束で交渉すると、後で言った言わないのトラブルにつながり、こんなはずではなかったと後悔することになってしまうかもしれません。
特に医局に属していた医師の中には、今まで雇用契約書を交わした経験がないという医師もいるのではないでしょうか。
雇用契約書を見たことがないと普通何が記載されているのかなどもわからないですが、医師転職サイトのエージェントがしっかりと確認してくれるので安心です。
そして、交渉の余地がありそうな箇所を指摘してくれますし、さらにその交渉自体までお任せできるのでとても心強い味方となります。
就職
長い期間を要した転職活動もここでようやく終了です。
心機一転、新しい職場で自分の医師としてのスキルを存分に発揮でき、また私生活も充実したものになるといいですね。
就職後にも医師転職サイトのエージェントから連絡が来て労働環境と雇用契約書とに相違はないか、不満に思う点はないかなどを気にかけてもらえます。
ここであまりにも雇用契約書と違っているような場合には、詳細をエージェントに報告をするようにしましょう。環境改善に力を貸してくれるはずです。
医師の転職活動には時間がかかる
一般企業の転職活動に関するサイトを見ると、転職に要する期間は大体どこのサイトでも一般的には約3か月～半年ほどと記載されています。
医師の転職活動期間の中央値が半年であることを考えると、一般企業よりも転職に時間がかかるケースが多いことがわかりますが、それはなぜでしょうか。いくつか理由があると思いますが、その最たるものが「医師の方が多忙である」という事だと考えられます。
それによりエージェントとの条件のすり合わせができない、求人案件の選定に時間がかかりその間に他の医師が就職してしまった、面接の日程が組めないなど転職活動が中断してしまうことも少なくありません。
他にも、強く引き留められてしまい退職に時間がかかっている、引継ぎに時間がかかっているといった理由も考えられます。
まとめ
医師が転職するには半年ほどを要するため、転職に失敗してしまい際転職を考える場合などは多くの時間を犠牲にすることとなってしまいます。それに失敗するとまでいかなくとも、せっかく転職するのならいい条件の転職先を見つけたいと考えるのが普通の医師ではないでしょうか？
余裕を持って転職活動を始める分には問題はないので、早めにスケジュールを組んでじっくり焦らず検討していきましょう。
医師転職サイトのエージェントとともに転職活動をすることで、効率よく、最も失敗が少なく次の就職先を見つけることができます。
あらかじめ医師転職サイトに登録しておくことで、時間のロスが最小限で済みますし、転職を思い悩んでいる時期からエージェントにキャリアの相談をすることも可能です。
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