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常勤と非常勤の割合を考える

医師の働きかたは他の職種同様、実に様々です。

生活していく上で何を重要視するのかは医師それぞれ考え方が違っており、どこに重きを置くかで勤務形態が異なってくることと思われます。

今回は常勤と非常勤、それぞれどのようなメリット・デメリットがあり、どのような割合で働く方法があるのか考えてみました。

そもそも常勤・非常勤とは?

「常勤医」というのは、「医療法第25条第1項の規定に基づく立入検査要綱」によって、以下のように定められています。

「常勤医師とは、原則として病院で定めた医師の勤務時間の全てを勤務する者をいう。 ア 病院で定めた医師の勤務時間は、就業規則などで確認すること。 イ 通常の休暇、出張、外勤などがあっても、全てを勤務する医師に該当するのは当然である。 病院で定めた医師の1週間の勤務時間が、32時間未満の場合は、32時間以上勤務している医師を常勤医師とし、その他は非常勤医師として常勤換算する。」

ただし、これはあくまで立ち入り調査時に必要医師数をカウントするための定義であり、医療機関の中には独自のルールを設けて常勤・非常勤を分類しているところもあります。

常勤で働き、非常勤アルバイトを組み合わせる

医療機関で常勤の勤務医となった場合、得られるものは安定と社会保障です。

医療機関というのは、できるだけ常勤で働いてくれる医師の方を望んでいるため、基本的には常勤でいる限りは契約を更新し続けていくことがほとんどです。

そのため、非常勤医師として働いている期間中、医療機関から「常勤の医師が見つかったので契約は打ち切ります」と宣告されることは、決して珍しくありません。

他にも、常勤医師は社会保険の加入対象ですので、勤務先の医療機関が保険料の半額を負担してくれます。

これにより年金受給資格を得た場合や障害者となった場合などに貰える年金が増える場合もあります。

また、健康保険の現金給付もあり、病気やけがで休職した際や出産時に傷病手当金や出産手当金を受け取ることができます。

国民健康保険や任意継続の場合は、基本的にこれらの制度は整備されていないため、万が一の際の保障は常勤医のほうが圧倒的に手厚いといえます。(健康保険法第104条による継続給付の要件を満たしている者は除く。) 

一方で非常勤のみで勤務した場合には、このような社会保障はありませんので不安定と言えますが、しかしその分収入に差が生じます。

厚生労働省発表の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、例えば30代勤務医の平均年収は1170万円程度(厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」をもとに算出)です。この平均年収をもとに、年52週間、週40時間勤務したものとして時給換算すると、平均時給は5625円となります。

これと比較し、非常勤医の平均時給は1万円が相場です。

額面だけをみるなら、常勤医師よりも非常勤医師の方が好待遇であるといえます。

これらを考慮すると、常勤医師として週何日か働き、残りの日に非常勤医師としてアルバイトをするのがどちらのいいとこ取りもできる勤務形態なのではないでしょうか。

常勤と非常勤の割合を考察しよう!

それでは常勤と非常勤の割合はどの程度が良いのでしょうか?

週何日を常勤とするかでいくつかのパターンに分けて以下にまとめました。

常勤週3日

医師転職サイトの求人をみてみると、このような案件はかなり珍しくなっていますが、少なからず存在します。

この勤務をすると週のうち残りの4日間は自分の時間となりますので、残りの4日のうち好きなところに非常勤アルバイトを入れることができます。

ゆっくり休む日が多い日が良いなら非常勤を1日、さらに稼いで適度に休みたいなら非常勤を2日ほど働くのが妥当ではないでしょうか。

もしくはその4日間に非常勤をいれず、仕事をしたい時だけスポットアルバイトを入れて働くという方法もあります。

ただし、この方法ですと医師の求人サイトを何度も見て応募するという手間がかかること、探すタイミングによってはあまり割のいいアルバイトが見つからないときもある、というデメリットがあります。

常勤週4日

医師転職サイトで検索すると、この条件であれば多くの求人案件がヒットします。

週4日の勤務であれば、1~1.5日を非常勤アルバイトに費やせばQOLを保ちつつ一定の収入を得ることができます。

求人では週4.5日勤務であったとしても医療機関によっては週4で交渉可能なことがあるので、積極的にエージェントに相談してみましょう。

転職活動をするにあたりこのような条件交渉は非常に重要ですが、一人で案件を探し医療機関に交渉して……というのをすべて一人で行うのは相当ハードです。

まして、医療機関で毎日働きながらであればなおさらです。

利用できるものは利用して、医師転職会社のエージェントにも頼れるところは頼りましょう。

それにより転職する医療機関の選択肢が増え、より自分に合った医療機関へ転職することが可能となります。

常勤週4.5日

週4日勤務の案件と並んで多いのが、週4.5日勤務を募集している医療機関です。

その内容としては、平日4日間に加え土曜半日というところがほとんどでしょう。

ここに非常勤を組み込むとなると週5.5日の労働となるため、きついと感じる医師もいるかもしれませんが、体力に自信がある医師ならまだまだこなせる労働量です。

ただ、この勤務形態にも注意点があります。

土曜半日の勤務というと、午後休みということで聞こえはいいのですが、裏を返すと半日のために職場まで通勤しなければならないということです。

自宅から職場が近ければいいのですが、遠方から通勤している医師にとってはきついかもしれません。

また、子育て中の医師がこの勤務形態をとると、運動会や授業参観日などの大切な行事に参加できなくなってしまう可能性があります。

代診の医師が見つかればいいのですが、土曜半日の勤務を希望する医師はあまり多くはないため、医療機関側としてはできれば欠勤してほしくないというのが本音でしょう。

常勤週5日

この条件ですと、ここに非常勤勤務を入れた場合、最低でも5.5日の勤務となります。

1日勤務を入れてしまえば週1日しか休みがないことになってしまいます。

早く症例を積んで独り立ちしたい、休みが少なくてもいいからたくさん学びたいと考える医師にとってはいい条件かも知れません。

体力的にもかなりきつい労働環境となるため、若手のうちにしか経験できないような勤務形態であると言えます。

十分な休暇が欲しい、家族との時間を確保したいと考える医師にとってはこの条件ですと希望にそぐわないことが多いでしょう。

ベースの給与が高い傾向にある美容医療やクリニック勤務ですとこの勤務形態が多く、その場合には非常勤勤務をなくすという選択肢も出てきます。

常勤と非常勤の割合を考えるまとめ

常勤勤務医として働いた際の非常勤アルバイトの組み合わせについて考察しました。

非常勤で出来るだけ収入を確保しつつ常勤の恩恵を受けるということを考えると、週3〜4日を常勤とするとワークライフバランスがとりやすいと言えます。

ただ、若手で体力が有り余っており、なおかつ独身で家族のことなどを気にしなくていいという場合には、一度週4.5~5日勤務を経験してみるのもいいかもしれません。

自分の現在の環境、周りの環境を考慮して勤務スケジュールを組んでいきましょう。

医師転職サイトに登録し、エージェントに具体的な希望条件を伝えておけば複数の施設をピックアップしてくれます。

このとき、複数の医師転職サイトに登録して転職活動を行うことをまずはお薦めいたします。

仮にエージェントとの相性が悪いなと感じた場合でも、複数の転職サイトに登録して並行して転職活動をすることで時間のロスが少なくなります。

効率的に動くためにも、医師転職サイトの複数登録は必須と言えるでしょう。
スムーズな転職活動を目指し、頑張りましょう!

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